

行政書士渡辺彰佳
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■成年後見制度とは、判断能力に不安がある方の財産を守り、生活や介護の手続を代行する制度です。
認知症,知的障害,精神障害などの理由で判断能力に不安がある方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。最近では、遺産分割をするために成年後見の申立てをする例も増えています。
また,自分に不利益な契約であっても、よく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法の被害にあうおそれもあります。
このような判断能力に不安がある方々を保護し,支援するのが成年後見制度です。

私達の日常は、意識している、していないに関わらず契約をしながら生活をしています。 近所のスーパーに行って、食料品を買うことは「売ります」「買います」という売買契約です。 住宅を借りることは賃貸借契約、電車に乗るのは運送契約です。
自分で「あれを買って、ああいう思いをしたい」と判断して、行動して生活をしているのです。 例えば、「お豆腐とかつおぶしを買って冷奴を食べよう」とか、「駅に近いところに住みたいから、駅まで徒歩5分のアパートを借りる」とか、行動の結果を判断して具体的な行動に移しているんです。
しかし、判断能力に不安がある方がいらっしゃいます。 つまり、「どのような行動をとると、どのような結果になるのか」の判断が難しくなっている方です。
判断能力に不安がある原因は、「認知症」「知的障害」「精神障害」などが考えられます。
自分がした行動の結果がわからないと、どのような事が起こるでしょうか?
・不動産を相場より高く買ってしまったり、逆にとても安く売ってしまう。 ・必要ではないのに、高級羽毛布団を買ってしまう。 ・契約の意味がわからない為、介護保険事業者との契約が結べない。 ・お金の管理ができず、収入・支出が把握できない。
など、日常生活が普通に送れなくなってしまうことがあります。
判断能力に不安がある方が契約によって、損害を受けた場合には助けてあげなければ可哀想ですよね。判断能力に不安があるのはご本人のせいではありません。病気のせいですから、法律は守るための制度を作っています。
「意思能力が無い者の行為は無効である」 という法律の原則があります
意思能力とは「自分がした行動の結果を予測できる精神的能力」のことです。 無効とは「はじめから無かったことにする」ということです。
つまり「自分がした行動の結果の判断が難しい方がしたことは、はじめから無効ですよ」ということです。
赤ちゃんを思い出してください。 赤ちゃんが例えば、無意識に契約書にサインをしたとしましょう。 その契約は有効だと思いますか? 思いませんよね。
それは「赤ちゃんが契約書の意味を知っている訳がない」と思っているからです。
これと同じように判断能力に不安がある方がした行為は無効であるという考え方なのです。 しかし、赤ちゃんの場合には、外見から明らかに赤ちゃんなので判断能力がない事がわかります。 では、大人の場合はどうでしょうか。
明らかに判断能力に不安があるというのは、どこで分かるのでしょうか?
答えは・・・「わかりません」
外見からはわからないのです。
でも、なんとなく分かるかも・・・?と思ったとしても、それは本当なのでしょうか?演じている可能性もありますよね。
もし、判断能力に不安がある方が、ある契約をしたとしましょう。 契約をしてから「私は判断能力に不安があるから、この前の契約は無しね」なんて事はできるでしょうか。
契約の相手方は怒るのではないでしょうか。
すると、相手方からは「じゃ、判断能力が無いっていう証拠を見せろ」となるハズです。
判断能力が無いことを証明できないと、契約を無しにすることはできません。
判断能力が無いことを証明するには、医師の診断を受けたりして証明が可能な場合がありますが、契約当事に判断能力が無かったのかを過去に遡って証明するのは簡単ではありません。
今は判断能力が低下しているかもしれないけれど、契約をした当時はしっかりしていたかもしれないからです。
実際に判断能力が無くても、証明する事が難しいのです。
そこで、あらかじめ家庭裁判所に申立てをして「判断能力がない」という確認をしてもらい、その事を法務局に登記をして証明ができるようにしたのです。 これが成年後見制度です。
法務局で「判断能力が無い」という証明書を出してもらえますから、不要な契約をした場合であっても簡単に契約の取消ができるようになったのです。
このような、判断能力に不安がある方の代わりに、家庭裁判所は申立て後に成年後見人等を選任します。生活に必要な財産の管理や、生活・介護に必要な手続を行うのが成年後見人等です。
※成年後見人等 = 成年後見人、保佐人、補助人、任意後見人の事。
成年後見人等がいれば、判断能力に不安がある方がしてしまった不必要な契約の取消や、生活に必要な手続を代理人として行うことができるのです。
| 成年後見制度には「老後の備え」と「事後的措置」の2種類があります。 |
成年後見制度には、大きく分けて事後的措置である「法定後見制度」と老後の備えとしての「任意後見制度」の2種類があります。
さらに、法定後見制度の中には「後見」「保佐」「補助」の3つがあります。 任意後見制度を利用する際には、「任意財産管理契約」「死後事務委任契約」「遺言」も組み合わせると、あなたの希望通りの老後を過ごす事ができるようになっています。
以前にも「禁治産者」「準禁治産者」という成年後見制度はありましたが、使い勝手が悪く、ほとんど利用されていませんでした。しかし、2000年4月からより使いやすい「新・成年後見制度」ができました。
■新しい成年後見制度のしくみ

以前の成年後見制度では、禁治産者または準禁治産者の宣告がされると戸籍に記載されていました。この戸籍に記載されるということがプライバシーの著しい侵害にあたるとされ、成年後見制度の利用があまり進まなかった原因のひとつと考えられました。
その点を改善するために、新しい成年後見制度では法務局に登記をすることになりました。
成年後見登記は、プライバシーの保護のため、本人、配偶者、4親等内の親族、成年後見人等、限られた者にしか証明書の発行ができないことにしています。

成年後見制度
成年後見制度とは 老後の4つのお守り 医的侵襲行為への同意
法定後見制度
法定後見制度とは 後見 保佐 補助 成年後見人等の選任 成年後見人等の職務
成年後見人等の報酬・費用 成年後見監督人等 成年後見人への監督
同意権、取消権の効果 代理権の効果 法定後見制度Q&A
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任意後見制度とは 任意後見の形態 任意後見契約 任意後見契約の内容
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