

行政書士渡辺彰佳
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成年後見人には、取消権があり、保佐人、補助人で同意権が付されている場合は、成年後見人等には同意権と取消権があります。
成年後見人には同意権がありません。なぜならば、本人(成年被後見人)に判断能力が無いため同意の意味がないからです。
本人の行為に対して、同意や取消すことができるます。
では、具体的にはどういうことなのでしょうか。
取消しとは、「その行為が始めから無かったことにすること」です。
もちろん、保佐人等が同意をした行為は取り消すことはできません。本人が
例えば、契約を取り消すのであれば、そもそも契約なんてしていないという状態に戻すことをいいいます。
これによって、本人に不利益になることを白紙に戻すことができます。
しかし、白紙に戻すと言ってもタイムマシーンで過去に戻るということはできませんので、その行為をした時と可能な限り同じ状況にすることです。
なぜ可能な限り同じ状況にするのかといいますと、本人に不利益が残ってしまう場合があるからです。
例えば、本人が持っていた絵画の売買契約をしてしまったとしましょう。
絵を相手方に渡し、本人には代金が渡されます。
本人は、喜んでパチンコに使ってしまって、全部使ってしまいました。
しかし、後日、成年後見人等が、「あの絵画は本人の思い出の品だから、売買契約を取り消す」と取消権を使ったとします。
すると、契約をしていなかった時と同じ状態に戻すわけですから、売買契約の相手方からは絵画が返されます。しかし、その代わりに絵画の代金を相手方に返さなければなりません。
さあ困りました。本人は嬉しさのあまり、代金の全額をパチンコに使ってしまっています。
返すお金がありません。
このような場合に法律は「現に残っている分だけ返せば良い」となっているのです。
判断能力が低下した方の保護をしているのですね。
でも、ギャンブルに使ったのではなく、生活費に使った場合には、
「元々使うはずだったお金を代金を受取った分から使っただけ」と判断され、返す必要があります。
ちょっとややこしいですが、「生活費に使った場合は返す必要がある」と覚えておいてください。
いつまでも取消しができるとなると、取引をした相手は夜もゆっくりと眠れません。
10年前に契約していたのに、ある日突然「10年前の契約は取り消すから無かったことにして」なんて言われたら大変です。
そんなことが内容に、法律では相手方に「催告権(さいこくけん)」というもの与えました。
つまり、「有効にするのか、取消にするのか、どっちなのか確定してください」と求められる権利です。
相手方は、本人の判断能力が回復して判断能力が普通になった場合には、回復してから1ヶ月以上の期限を定めて、催告をすることができます。l
本人から返事が無い場合には、法律上、本人が認めたことにできます。
本人は判断能力がある訳ですから、自分の不利益になる場合は取り消すという意思をすぐにするはずです。1ヶ月以上返事を待っても取り消すという気持ちを伝えてこないのですから、それは認めたことにしたのです。
本人の成年後見人等にも催告をすることができます。
この場合にも、成年後見人等にはしっかりと判断能力があるわけですから、本人の不利益になる場合は取り消すという意思をすぐにするはずです。1ヶ月以上返事を待っても取り消すという気持ちを伝えてこないのですから、それは認めたことになります。
では、判断能力が回復していない本人(被保佐人、被補助人)に催告をした場合はどうでしょうか。
1ヶ月以上待っても返事が無いからと言って認めたことにしてしまうと、本人に不利益がある場合があります。本人の判断能力が低下しているわけですから、なんだか分からないうちに認められてしまうおそれがあるからです。
ですから、判断能力が回復していない本人に催告をする場合には、1ヶ月以上待っても返事が無い場合は、法律上、取り消したことして本人の保護をします。
必要であれば、本人が保佐人、補助人と相談し、新たに契約等をすれば良いからです。

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